思考備忘機構

趣味と思考と文体練習

ユーロ2019男子FSプレビュー的なもの

SPを見て久しぶり(一か月ぶり)に興奮して文字を書きたくなったので。

またどうせFSは力尽きて書かないと思いますが……

 

◆イタリア男子代表争い

物理(TES)で殴る新星・グラッスルと完成度&PCSで勝負のリッツォ。SPの点差はなんと0.28という僅差。後がないリッツォのFPは初披露のQueenメドレー、このプログラム変更が吉と出るか凶と出るか。世界選手権代表一枠の行方はいかに。

 

◆ベテラン勢の活躍

今シーズン前半、ラファコーチのもとでの練習の成果を発揮しGPF出場を果たしたイケイケ28歳ミハル。故障を乗り越え3Tと見まがうエフォートレス4Tを取り戻したイキイキ30歳ビチェンコさん。2人とも十分に表彰台を狙える位置からFSへ。ミハルのノリノリでキレキレでありながら大人の余裕を感じるロックメドレー、ビチェンコさんの気迫と哀愁のドラキュラ。どちらもベテランだからこそできる演技、今回も楽しみだ。

 

◆マヨロフさん、ユーロラストダンス

 これが最後のユーロだと表明したマヨロフ(兄)さん。

 最後まで楽しくネクタイ芸をしてほしい。そして最後にさいたまに来た暁にはめんつゆを沢山ゲットして帰ってほしい。

 

ていうかマヨロフさんのツイッターのヘッダー写真すごい。

 

◆コフトゥン大覚醒なるか

ロシアナショナルで見事な復活劇を見せ優勝したコフトゥン。今大会のSPでは、冒頭のサルコウで転倒するも、その後4Tに3Tをつけリカバリー、ナショナルでミスの出た3Aを成功させるなど、今までとは違う強さを見せた。そう、彼は復活どころか覚醒したのである。FSで前半固め打ち3クアドを決めれば、4つめのユーロメダル獲得も十二分にあり得るだろう。何より今シーズンのFS"カルメン"はコフトゥンのマスターピースと言っていいほどのはまりプロ!クラシックな振付、迫力のChSq、絶望のフィニッシュ。控えめに言って最高なので、最高な演技を見せてもらいたい。

 

◆フランス男子の再興

今シーズン急激に力を伸ばしているエイモズ。髭を生やし始めたことと相関関係はあるのだろうか。ジュニア時代からユニークなプログラムに定評があった彼は、アクロバティックかつダンサブルなSPで観客の心を掴んだ。FSでは一転、エモーショナルでアーティスティックな表現を見せてくれることだろう。独創的かつ美しいChSqに注目だ。

フランス代表はジュニアのアダム・シャオ・ヒム・ファも好演技を披露しており、じわじわとフランス男子の再興を予感させる。

 

今年のサモヒンは一味違う

そう思わせるSPだった。4Tで手をつくも3TをつけてGOEプラスにまで持っていく強い修正力。構成を変え4Sに挑みミスが出るも、その後の3Aは超絶美麗であった。表現面も以前より丁寧になったように思う。去年、一昨年とSP落ちを経験した彼だが、3年ぶりのFSで3年前と同じく最終G入りを果たした。3年前といえば、そう、ジュニアワールドで逆転優勝を決めた年である。このまま勢いに乗れば表彰台を狙えるポテンシャルを持った選手だ。注目ポイントはパッション溢れるStSq。

 

サマリンは雪辱を果たせるか

去年のユーロで靴の問題もあり思うような結果が出せず、五輪代表の座を逃したサマリン。今大会のSPではフィギュアスケート史上最高クオリティの4Lz+3Tを成功、そして4Fに挑む強気な姿勢も見せた。FSにも4Fを投入してくるのかは不明だが、クリーンに滑り切れば優勝もあり得る立ち位置だ。シニアデビューの昨シーズンはジャンプ偏重の印象が拭い切れなかったサマリンだったが、今シーズンは表現面がかなり向上している。少々粗削りながらも生き生きと動きまくるStSqとChSqを見ればその成長がわかるだろう。今宵もぜひグレイテストなショーを見せてほしい。

 

ハビエル・フェルナンデスの集大成

全ての観客の期待、声援を一身に浴びた最終滑走。引退を決めて臨む最後の競技会、五輪とはまた違うであろうプレッシャーの中で全てのジャンプを着氷することは、常人にできることではない。確かに、演技全体のクオリティは伝説のヘルシンキマラゲーニャには及ばなかったものの、最後まで丁寧に踊りきったその姿は我々の目に焼き付いて離れない。正真正銘のラストダンス、五輪銅を勝ち取ったFP、"ラ・マンチャの男"に全てを懸ける。実はこのプログラムでは未だ予定構成ノーミスの演技をしたことがないのだが、完成させれば逆転優勝・7連覇も難くない。しかし、そんなことは考えなくていい。ただただ集大成の舞台を存分に楽しんで、出し切ってくれればいい。そうすれば、見果てぬ夢は、きっと叶う。

 

こんなこと言ってるけど引退詐欺は大歓迎ですよ。いつでもウェルカム

 

コリャダは伝説を創れるか

4回転を含む全てのエレメンツが美しいスケーティングに溶け込んだ、シームレスな演技。現役ではそんな演技をできる選手は片手で数えられる程しかいない。その1人がコリャダだ。怪我や不調を乗り越えた選手が多く見られる今大会SP、コリャダも副鼻腔炎に苦しんだシーズン前半から見事復活。ほぼパーフェクトな演技で唯一のSP100点超えを果たし、優勝に一番近い位置につけた。彼のFP"カルメン"は個人的には"ナイトメア・ビフォア・クリスマス"と同じかそれ以上のはまりプロだと思う。一番は勿論これだが。王道を行く選曲でありながら、彼の特徴的なムーブメントとヌメヌメなスケーティングが生かされたプログラムだ。優勝すればプルシェンコ以来7年ぶりのロシア人チャンピオン。世界有数のオールラウンダーのガッツポーズをまた見たい。

 

 

長々書いてたらもう今日じゃんお腹痛い。あと私はこんなことよりレポート書かなきゃいけないんだお腹痛い。ひええええええええ

FDも今日だし裏では全米もやってるし選手の皆さんがんば!!Go!!Давай!!Forza!!Bon courage!!Vamos!!