思考備忘機構

趣味と思考と文体練習

フィギュアスケート観戦という名の合法薬物

 

ISU世界フィギュアスケート選手権大会2019を観に行った。

全カテゴリーにおいて非常にハイレベルな「神大会」となった訳だが、そこで思ったことが今回のテーマである。

 

フィギュアスケート観戦ってシャブだ!

 

まず、フィギュアスケートは「氷上の芸術」と呼ばれるように、競技スポーツと身体芸術というふたつの面を持ち合わせている。これ、「スポーツを観ているときの興奮」「芸術を鑑賞するときの快感」を同時に味わえるということであり、脳内麻薬放出量は単純に2倍になるのでは?

 

そしてフィギュアスケートには4つのカテゴリーがある。男女シングル、ペアとアイスダンス。それぞれ見ているときの感覚は全く違う。男子では多回転ジャンプとプログラムの調和、女子では繊細な表現や柔軟性が楽しめる。ペアは一番アクロバティックで、ダンスは表現が濃密で一番芸術的だ(※個人の感想です)。これは4種類の刺激を味わえるということであり、快感は4倍になるのでは?

 

また、特にお気に入りの選手、いわゆる「推し」選手ができるとまた見方が変わってくる。「推し」の演技時にはもの凄く緊張するようになるが、その分、良い演技をした時の喜び、多幸感は何倍にもなる。ここでは3倍としておこう。尚、長く見ていると推しの数はどんどん増え続ける。収拾がつかない。助けてくれ。

 

最後に、現地観戦。テレビやライブストリーミングの方が選手の表情やエッジワークはわかりやすいのだが、スケーティングのスピードやなめらかさは生で観た方がリアルに伝わってくる。何より、会場の雰囲気、足元からくる冷気、緊張感、歓声、熱気、その全てが脳汁の分泌を促す。これはもう10倍くらい違う。

 

つまり、フィギュアスケート観戦は2×4×3×10=240倍もの快楽が得られるのである。

賢い方も賢くない方もお気づきであろうが、「何の240倍?」と言われても知ったこっちゃない。だって他の趣味と比べるのはちょっとアレだし……。じゃあモルヒネモルヒネの240倍ということにしておこう!

 

ということで趣味がない人、刺激が足りない人、脳内麻薬ジャンキーの人にはフィギュアスケート観戦を強くおすすめする。合法だし、世間からも比較的健全な趣味だと思われるし。何より、最高に面白いので。