思考備忘機構

趣味と思考と文体練習

ぼっち忘年会

 

Twitterで#スケオタ忘年会しようと思ったんですが、主観オンリーで印象に残った出来事並べただけなのに1ツイートに納まらなかったのでここに書きます。年明けまであと1時間で終わるのか?

 

◆高志郎くんの躍進

3A、4T、4S、そして進化した表現力と進化した長い脚を携えて、再び日本ジュニア男子トップ争いの場に戻ってきてくれた高志郎くん。Adiosとかもう色々感慨深すぎて。4年前(!)初めて彼を見たときのインパクトが強すぎていまだに彼のイメージは可愛い可愛いチャップリンだったのですがまーーーーーあんなかっこよくなっちゃって。もともと大人顔負けのしっかりした考えを持ってそれを言葉にできる子ではあったんですが、やっと見た目が中身に追いついた感ありましたね。でもJGPF表彰式の時なんかは相変わらず可愛いお姿を見られてよかったです。MOIで久しぶりに生で拝見したんですが、ワールド代表メドレーの月光がとにかくヤバかった。シーズンラストにはI want to break it freeという爆弾を残してくれました。来シーズンはいよいよシニアデビュー!ただただ楽しみです。

 

◆ジュリアンGPSデビュー

バイトを終えて慌ててオンリザを開いたらマレーシアの推しがGPSデビュー戦SP3位につけてたときの私の気持ちよ。リアルに膝から崩れ落ちました。FSではジャンプが上手くはまらなかったものの会場をめちゃめちゃに盛り上げ、EXには2戦とも招待され清掃員として活躍しました。本人は不調なシーズンだったと言ってましたが4S本格投入にスケートアカデミー開講などたくさん新しいことをやってくれて色んな姿が見られて嬉しかったです。

 

◆全露コフトゥン優勝

これについては以前書いたので割愛。本当に嬉しかったんです。彼の復活に勇気づけられた選手もきっとたくさんいると思います。

 

◆全日本かおちゃん優勝

今まで技術のイメージが強かったかおちゃんが殻を破ったように感じた、全日本FS。あのピアノレッスンには鳥肌がたちました。力強くかつ滑らかで雄大なスケート、そこに溶け込むような美しいエレメンツの数々。その成長は数字にも表れ、ワールドSPではスケーティングスキル世界1位の評価を獲得しました。彼女のスケートはとにかく見ていて気持ちがいいんですよね。源泉かけ流しフィギュアスケーティングって感じ(?)来シーズンはアップテンポなプロに挑戦とのこと、ワクワクしますね!

 

◆全加ナムくん優勝

私はこれまで特に彼のファンだったという訳ではないのですが、今シーズンのナムくんの演技が大好きで。昨シーズン以来紆余曲折、酸いも甘いも嚙み分けた末辿り着いた演技スタイル。That's Lifeとララランドという彼のために作られたようなプログラムは見るたびにとびきり楽しい気持ちにさせてくれました。レジェンド・パトリックの引退後初めて全加チャンピオンメダルを掴んだのがナムくんってもうエモすぎてな、、、ワールドでキーガンとの仲良しっぷりを生で観られたのもよかったです。

 

◆ハビ有終の美

SPのマラゲーニャ、FSラ・マンチャの男、EXPrometo。全てが思いのこもった、忘れられない演技となりました。多くを語る必要はないでしょう。特にFSのStSq、あの表情。FaOIのフラメンコオンアイスも素晴らしかったです、あれだけでワールドツアーしてほしい。

 

◆マッテオくんユーロ銅

そして同じユーロの舞台で、憧れの選手と初めて表彰台に立った彼。ワールド代表が懸かった大事な大事な場面で4Tを決め、素晴らしい演技を見せてくれました。彼の演技は見てるとすごく優しい気持ちになるんですよね。SPや、FSの歌いながらのChSqなんかは特に。そして今シーズンはエンターテイナーな一面も見せてくれました。ワールドでは見事2枠を獲ってきてくれたので来シーズンは可愛い顔したクワドおばけ・グラッスルくんとのバチバチ枠争いはないですよ!

 

◆4CCで大人気のドノヴァンくん

これも詳しくはこの前書きましたが。あのSPは可愛くて楽しくて最高だったなぁー。FSはジャンプがなかなかはまらなかったけど、また違う路線で新鮮だったし、ソンブレロ被ってくれるサービス精神が素晴らしかったです。そして可愛かった。

 

◆歴史的超絶神大会ワールドペアFS

ボイコズ、ヴァネシプ、ペンジン、ザビエン、タラモロ、スイハン、六組六様の神演技。本当に凄まじかったです。スタオベ何回したんでしょう。あの場にいられて幸せでした。

 

◆最終滑走トゥルシン4S

今シーズン忘れられないこと。カザフスタンの英雄、殿下の死。

ワールド女子最終滑走、私が必死にトゥルシンちゃんのことを応援していたのは彼のことが頭にあったからかもしれません。記録にも記憶にも残る一場面でした。

 

◆ワールド男子宇宙頂上決戦

もうこれも多くを語る必要ありませんね。特に羽生さんとネイサンのFS、動悸と震えと過呼吸が止まらなかったです。あの場にいたことを私は一生自慢し続けます。

 

年内に納めるため最後が駆け足になりましたすみませんまたらいねーん!

忘年推しプロ語り2019 その6

 

スケオタ大晦日にこんにちは。

推しプロ記事ラストです。

今までいくつかのプロを何かしらで無理矢理くくって1記事にしていたのですが、これは思いつかなかったので単独です。

 

◆Piper Gilles / Paul Poirier  FD "Vincent (Starry Starry Night)"

良すぎて迂闊に語れないやつなんですが、それを言っては元も子もないので。

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの「星月夜」がテーマ。あらゆる人が共感できる、何かを生み出す喜びと苦しみの物語。音源はイギリス出身の2人組アーティスト・GOVARDO がパイパーポールのために制作したもの。

このプログラム最大の論点ってパイパーちゃんが表現しているものは何なのか?だと思うんですが、答えは一つではないと思うんですよ。「描きたいもの」ではないかというツイートを見て、そういう考えもあるのかーと。創造、制作、評価、全てを含んだ「ゴッホにとっての絵そのもの」なのかなあと私は思ってます。

冒頭の女性が一回転して天から降りてくるような振付はアイデア、閃きが降ってくる様。流れるような美しいムーブメントの中に、所々印象的な振付が散りばめられています。2人の手が僅かに触れるところとか。ツイズルの間にはこれでもかと言うほどターンを盛り込んでます。そうですよ、こんなクリエイティビティ溢れる2人が「創作」をテーマに滑っているんですよ……。

"starry starry night "の歌詞に合わせて空を見上げるの素敵。中盤のテンポが変わるドン・マクリーンの原曲には無いパート、アイスダンスのルールに合わせる為だと思うのですが、ここが良いんですよ、キラキラしてて。絵を描くことが何にも代えがたい喜びで、生み出すことが楽しくて仕方ない日々の情景。

間奏が終わるとこの物語も終盤へ。コレオステップはナショナル以降大幅に振付が変更されていて、どっちも好きなんですけど初見のインパクトが大きかったので私の中ではスケカナがベスト。作品の評価に振り回されて、本当に描きたいものがわからなくなって、形にできなくなって。そんな苦悩が感じられます。

そして、"you took your life as lovers often do"の歌詞に合わせて左耳を抑える男性。ゴッホが自分の耳を切り落としたエピソードを表しているのでしょう。暗闇の中、その画家は再び空を見上げます。

StaLiは女性が男性に覆い被さる形。これは女性が男性の足元に添う形の前半のCuLiと対比になっていると思ってます。ラストは再び最初のポーズに戻り、そしてもう一度天を仰ぐのです。

昨シーズンの007のように無条件で盛り上がれるプロも、こんな風に考えさせられるプロもどっちも大好きです。衣装なんかも細部まで拘ってますからね。

余談なんですがこのスケカナの時ファンの方がひまわりのブーケ渡してたのセンス良すぎて、ワールドでパクらせていただきました。

 

他にもまだまだ書きたいプログラムはあったのですがとりあえずここでおしまい。

嬉しいことも悲しいこともたくさんあったシーズン。スケーターの皆様、素敵な演技をありがとうございました。また来シーズン元気な姿を拝見できれば幸いです。よいお年を!

 

 

忘年推しプロ語り2019 その5

 

DOIのレポを見て無限にニコニコしています。友野くんのムーランルージュが見たすぎる。

今回はエキシビション縛りで推しプロを語ります!

 

村元哉中 / クリス・リード  EX "Hi-Lo" 

これは2018/19シーズンに含めていいものか迷いますが……。DOIだし7月だしいいよね!

「過去との決別」がテーマ。「過去に囚われ、縛られながらも、自分の力で前に進む、自分の道を切り開くというストーリー」だそうです。ご本人のブログでもストーリーを説明してくれています。
まさか振り付け時から解散を予感していた訳ではないと思いますが、今見ると色々と考えさせられるテーマです。
このプログラムを初めて見たとき、とてもワクワクしたことを覚えています。また新たな表現の扉を開いた二人、これからどんな演技を見せてくれるのだろうと。冒頭のコレオ、蔦のように絡みつく、「困難」の象徴。進みたいのに囚われる。離れたいのに縋ってしまう。女性が男性に抱きつくリフトは2017/18シーズンのEX"Unsteady"にも似た振付があったのですが、そちらは愛や不安からの解放といった印象を受けるのに対し、こちらは離れたいけど離れられない、退廃的な雰囲気が表現されています。二人が8の字の起動を描くステップの躍動感が、素晴らしいです。一番好きなのは「困難」を断ち切るその終わり方。二人の、男女の関係に囚われずを魂をぶつけ合う演技が大好きだったし、これからも何度も見返すと思います。

 

◆Vincent Zhou  EX "SLOW DANCING IN THE DARK"

時系列がぐっちゃぐちゃですみません。ワールドでお披露目されたヴィンスの新EXです。高難度ジャンプが注目されがちな選手ですが、これを見て彼も表現者であることを実感しました。独特の浮遊感と、"In the daaaaaaaaaaark"のロングトーンに合わせた技の配置が特徴的なプログラム。 冒頭からもう良いですよね。イーグル3Aからの一連の完璧な音ハメが気持ちいい……。そして美(ヴィ)ーーーグルからのクリムキン。このプロのどこが良いって、こういう技が盛り上げるための飛び道具としてじゃなく、ただ音楽を表現するために使われているところなのです。あとなんてったってエモい。彼が得意とする(と私が勝手に思っている)エモーショナルな表現をとことん堪能できます。

ストップの後の振付は意外性があっておもしろいです。この日、というか国別のヴィンスさんは超絶好調でジャンプも身体の動きも素晴らしかったんですが、唯一ニースラだけはワールドの方がよく滑ってました。何故だ。ケヴィン・エイモズさんリスペクトのスライディングもまた曲想に合ってますね。

このプロはここ数ヵ月でで一番リピしてる気がします。たぶん曲自体の中毒性が高いというのもある。MVを見てから演技を見るとまた違った印象になっておすすめです。

Joji - SLOW DANCING IN THE DARK - YouTube

 

余談ですが、初演の動画が88rising(この曲を歌っているJoji氏が所属してるグループ)公式からあげられていてその再生数がなんと160万超え。やばば。

 

(2019/7/11 追記)

DOI版があまりに最高だったので追記をします。テレビ放送のものなので動画は貼らないでおきますが……。

まずワールドでは動きに若干ぎこちない部分があり、国別では逆にちょっと元気すぎたのが、DOIでは程よく滑り込まれ、力を抜くべきところは抜く、アンニュイな演技になっていました。そしてジャンプの音ハメ!3Aは元からパーフェクトでしたが、あのタイミングでの3Fと3Lzにしたのは大正解です。これで音にハマっていない箇所がほとんど無くなりました。気持ち良すぎる。心地いい、それなのに胸が苦しくなる、そんなエモーショナルな表現もさらに進化しています。歌いながら滑ってましたもん。私は歌いながら滑るスケーターだいたい好きになります。振付もブラッシュアップされ、クリムキンイーグルとエイモズさんスライディング(?)がそれぞれベティスクワットイーグルっぽいのと二度目のイーグルに変わってました。変更後の方が流れがありますね。ここはどっちも好きだけど。

ヴィンスのことはジュニアワールド優勝後からしか知らないのでそれ以前の演技とか見ようかなと思うんですけど、このプロが好きすぎて気付くとこればっか見てるんですよね。とりあえずジョシュア・ファリスさんは天才です。ありがとうございます。

 

◆Javier Fernandez EX "Prometo"

最後だと明言して臨んだユーロ。SP、FSはもちろんEXまでスペインの曲で固めてきました。

ハビといえば明るくて洒脱で楽しい、そうでなければ格好いい表現が得意なイメージがありましたが、切ない表現も良い、すごく良いんです……。

愛する人との別れを惜しむ曲だと思うのですが、それが現役生活に別れを告げるハビに重なってしまいます。滑り出した時の、何とも形容し難い表情。こんな表情で滑る彼を私は初めて見ました。

一瞬一瞬を慈しむような丁寧な演技。「サロンでタンゴを踊ろう」という歌詞のところでタンゴっぽいポーズがあったり、スペインらしさを感じる振付が散りばめられているのがハビらしくて良いです。

後半、音楽に合わせて振付が激しくなるところは歌うようなエモーショナルなスケートを見せつつ、本当に丁寧に美しく踊っています。

このプロは救いがなくて、最後も悲しいままうなだれて終わるんです。そこが好き。ハッピーエンドもいいけれど、こちらの方がずっと余韻に浸れる気がします。

ちなみに、この曲はこんな歌詞で締めくくられます。

”te prometo que vamos a volvernos eternos”

僕らは永遠になると約束するよ

切なくて寂しいのに、どこか温かい。今までもこれからも間違いなく、唯一無二の存在です。

 

 

羽生結弦  EX "春よ、来い" 

 

2連続ウィルソン振付ですよ。そうだよ私はウィルソンのこういうプロが好きなんだよ。

ていうかフェアリータイプの羽生結弦が好き ?ということをやっと自覚しましたね。ほのおタイプも同じくらい好きなんですけど。

このプロで表現しているものは「自分の人生観」だそうです。好きに解釈してくれ(意訳)と仰っていたので勝手に想像しますが、どんな功績にもどんな高みにも満足できず、幸せは長くは続かないし辛さはどこまでも付き纏うけれど、それでもずっとずっと"春"を探し追い求め続けてる、ってことですか??なんてことだ……羽生結弦……。

羽衣のような衣装も相まって天女だなんだ言われてましたが、確かに非人間的な美しさです。性別どころか人間の域を超えている。でも、後半にかけて段々と人間らしくなってくるんです。まさに雪が融けて花が芽吹くように。

3Loの後の振付、振り返って手を下ろす、たったそれだけなんですけど、なぜこんなにも美しいのでしょう。その後のスピンが上手すぎ。羽生さんはシンプルにスピンが上手すぎなんです。(2回言った)

"苦しみの先に見える希望"を思わせる振付の後、このプロのハイライトのひとつである氷面口づけハイドロブレーディング。さいたまワールドではここの照明が最高に素晴らしかったんですがなんで映像残ってないのおおお。ぶわああって花が咲いたんですよ。

私が一番好きなのはイナバウアーです。少しタメがあってから腕を広げるところ。衣装のひらひらとピアノの旋律が相まって、本当に大輪の花が咲くみたいで。大好きです。

昨年FaOIの放送でこれを見たときは完全に魂を吸い取られてしまい画面の前で呆然と泣いていましたが、今年のFaOIではほのおタイプの新プログラム・マスカレイドを現地で観て理性をぐちゃぐちゃにされてしまいました。きれいにオチがつきましたね。ついてないか?さようなら。

 

 

 

忘年推しプロ語り2019 その4

 

こんにちは。

新シーズンモード高まる今日この頃、いまださいたまワールドの余韻の中で生きている私です。

今回は18-19シーズンに不死鳥の如く復活を果たした3組のプログラムを語ります。ベストプロではなく推しプロ。

 

◆Madison Chock / Evan Bates  FD "Elvis Presley Medley"

最高にブチ上がるプロ。冒頭ベイツさんの二度見おもしろい。ベイツって変換すると米津になる。このチョックさんマ~~ジで美女なんですよね。いや前から美女なんですけど、このプロでの立ち振る舞いが男を惑わす魔性の美女そのものなんですよ。シャンパンゴールドのドレス、黒髪、真っ赤なリップのコントラストもう素晴らしく美女。ああ誘惑されたい。 ひとつひとつの振付に胸がときめきます。ドッキドキのキュンッキュンです。これは恋か??ハグするとことかも~~ニヤニヤが止まりません。

たぶん、"Fever"のパートはこの2人ならもっとどろどろっと色気を前面に出すこともできると思うんですよね。でもあえて洒脱に楽しく仕上げているところが素敵。

ストレートラインリフトの入りのドラムに合わせて女性が宙を歩くところ、ワンフットステップの後のおでこつんってするところ、いちいちキュンとします。ダイアゴナルステップはツイズルの音ハメが心地いい。そして大正義カーブリフト+カーブリフト!!ジャスティス。

美しいダンススピンから、"Burning Love"へ。このパートはとにかく楽しいです。おんぶコレオリフトからコレオステップ、コレオスライディングの三連コレオエレメンツ、全てが最高!!!何より、二人自身が演技ではなく、心から楽しんで滑って踊っているように見えます。私は楽しそうに滑るスケーターが何よりも好きなのでもう大好きです。

あえて技術の話をすると、技術がとても安定していて、特にコレオエレメンツの間に繋ぎ目が全くないのが凄いなと思います。

シーズン後半からの復帰ゆえに4回しか見られなかったのが本当に悔やまれます。まあ見られただけで嬉しいですけどね。国別はカップル競技も2枠派遣にしろや!!

 

◆Wenjing Sui / Cong Han  FS "Rain, In Your Black Eyes"

同じくシーズン後半からの復帰となったスイハン。私この激ヤバ神大会の超絶伝説神演技生で観たんですよ。羨ましかろう?それだけで人生勝ち組ですわ。

冒頭のダンスリフトのようななコレオがすごく印象的で引き込まれます。

スロー3Sの後のトランジション好き~。今シーズンペアをちゃんと見始めて、トップ組に入る条件の一つはデススパイラルとスピンで表現が滞らないことかなと感じました。静かな音楽の中で時を刻むように回るデススパイラルとペアスピン。このプロはエレメンツの配置が神なんですよね。SBS3Sの前の手を合わせる振付、細かいんだけど2人の絆を感じられて好き。

徐々に激しくなる音楽に合った5ALi、そして音ハメスロー3F。ここからはもう圧巻です。情熱のChSq、爆発する5RLi、壮大な3Li。鳥肌しか立たない。感情を表出させつつ、音楽にぴったり合わせながら、かつ技術は正確という凄さ。2人ともめっちゃいい表情で滑ってるのが泣けます。スイちゃんほんとにこの曲嫌いなんですか??

あと好きなのが一番最後リフト降ろした後のコレオ、最後の最後にあんな激しくて速くて大変そうな振付しますか普通????でもこの激しさ、エモーショナルさが前半の静けさとの対比になっているからまた良いんですよね。

ベストな演技を披露したペアが多かったさいたまワールドFSですが、その中でもこの2人は圧倒的でした。ペアの表現の極致を見せつけてくれました。これからもお身体には気を付けて、最高を超える最高を見せてください……。

 

◆Maxim Kovtun  FS "Carmen"

五輪シーズン、怪我で試合にほとんど出られなかったコフトゥン。一時は進退を危ぶまれましたが、素晴らしいプログラムを引っ提げて帰ってきてくれました!!

まず衣装が神じゃないですか??こういうクラシックで豪華な衣装、大好きなんですよ。完璧。袖のグラデーションみたいなとこどうなってんだろ。

ロシア内でカルメンが被りまくりユーロではカルメンの呪いなどと囁かれましたがコフトゥンにカルメンがこんなに合うとは!!要所要所でポーズを決める振付は長い手足が存分に生かされています。柔らかい踊りよりはこういう「型」のある踊りの方が合っているのかもしれませんね。特に好きなのはFCSpの後の止まっての振付、格好よすぎませんか!!その後のStSqも細かい音を丁寧に拾っていて良いです。

このロシア選手権ではジャンプも好調でした。4Sの後のガッツポーズ泣ける……。4Tの転倒は惜しかったものの、強くなって帰ってきたコフトゥンはミスを引きずりません。曲想に合った気持ちいいジャンプを次々と決め、ラストの3Lz+1Eu+3Sを降りたところで感情が爆発します。なんという爆走ChSq。このChSq、難しい要素こそ入っていないものの曲のスピードについていくのが大変そうだと思うのですが、なんなら曲より先走りそうな勢い。ホセなのでラストは怒りと絶望で終わるはずですが、この時は喜びが勝っちゃってますね。そりゃそうだ。そのあたりの表現はタリントロフィーが良かったです。タラソワさんにもらい泣きしちゃう……。

身体的な限界もあったのか、世界選手権に出場せず引退という形になりましたが、昨シーズンあのままフェードアウトしてしまうよりずっとずっと良かったです。本人もこんな素晴らしい演技でロシアチャンピオンに返り咲くことができたからこそ、清々しく引退できたのではないでしょうか。本当に、諦めないで戻ってきてくれてありがとう。これからも別の形でフィギュアスケートには携わっていくようなので、楽しみにしています。

 

動画見直す度に泣きながら書いてるので筆が遅い。けど今月中にあと2本書ききりたい。さようなら

 

 

 

 

 

忘年推しプロ語り2019 その3

こんばんは。GWなので連続更新です。2018-19シーズンの推しプログラムを語ります。大事なのは"ベストプロ"ではなく"推しプロ"であるということ。

 

今回は、今シーズン急激に飛躍した2組のプログラムです🌟

 

◆Lilah Fear / Lewis Gibson  FD "Disco Medley"

ブチブチにブチ上がるプログラム。本当はNHK杯が演技内容、会場の盛り上がり共に最高だったのですが、動画が見つからず……。無念。 動画上げてくれてる方がいました!!

しょっぱなコレオステップというのがもうインパクト抜群ですよね。特に男性の動きのキレが半端ない。ぶんぶん振り回すローテ―ショナルリフトも初見時はびっくりしました。お馴染みの曲に合わせた振付が楽しいです。スローパートでは曲線的な動きでもしっかり魅せてくれます。アクロバティックなカーブリフトからのステーショナリーリフト、地味にめっちゃキツそうじゃないですか?ライラちゃんの身体能力よ。

そして最大の見せ場、シークエンシャルツイズルからのコレオツイズル!!プログラムのハイライトにツイズル2本持ってくるのってすっっごい攻めじゃないですか??コレオツイズルからは曲がマイケル・ジャクソンの"Don't Stop 'Till You Get Enough"に変わり、ますます盛り上がっていきます。男性の腕の動きが面白くてそこばっか見ちゃう。

このプロの一番の推しポイントは何と言ってもラストのコレオスライディング!!最ッッ高です。コレオスライディング導入1シーズン目にして"正解"が出ちゃったじゃないですか大丈夫ですかISUさん!?!?!!と言いたくなります(?)。

ただただ見ていて楽しいだけではなく、アイスダンスの可能性って凄いな~!と思わされるプログラムでした。

 

紀平梨花  FS  "A Beautiful Storm"

今シーズン世間で一番話題になった選手なんじゃないでしょうか。

この曲を最初に聞いた時は、シニアデビューシーズンにこんな難しい曲……?大丈夫……?と思ってしまったのですが、蓋を開けてみたらまあ神プロでした。ごめんなさい。私の心配は9割方杞憂に終わる。

"地球の誕生"っていうテーマが壮大で良いですよね。彼女は感情の表現よりは音そのものの表現に長けているので、こういう抽象的なテーマが合っているのかもしれません。それも15、6歳の今だからこそ完成させられたんだと思います。もっと大人になってから滑っていたら、純粋ゆえの無慈悲さや人間離れした神秘は感じられなかったでしょう。ここまで計算されて作られてるとしたらディクソン先生変態すぎるな……(冤罪)

冒頭の3A×2本で無慈悲さと畏れ多さを印象づけます。つまりは3Aすら表現の一部になっているということです。やば。このStSq大好きです。音への忠実さに加え、身のこなしも最高に美。このテンポでこんな美しく動けるのは凄いです。所々に意外性のある振付が入っていてインパクトもあります。

3Lz+2Tの後の揺蕩うような柔らかい腕の動きも好き……。さらに音ハメビューティフル3FからのLSpの美しさよ。スピンまで激うまなのほんとどうなってるんですかね??

そして絶品ChSq。StSqが動ならこちらは静でしょうか。カーブとエネルギーと音楽の完璧な調和。ぐっと引き込まれます。みんなこれくらいこだわってChSqつくって~!!

最後の要素が3Sというのも無慈悲さを増強させます。ラストのコレオもめちゃめちゃ美麗で好き。大好き。欲を言えばもうちょっと余韻を残して欲しかったけど、ガッツポーズ可愛いのでオッケーです。

シニアデビューシーズンにこれだけの大作を生み出した紀平さん。必然的に来シーズンへの期待も高まります。しかもシェイリーンと組むんでしょ??楽しみが過ぎる~。

 

 

今日は比較的短く収められたぜ。

 

忘年推しプロ語り2019 その2

こんばんは。10連休ももうすぐ終わりますが、今日も2018-19シーズンの好きなプログラムについて語っていこうと思います。大事なのは"ベストプロ"ではなく"推しプロ"であるということ。

 

今回は、本日お誕生日を迎えられたあの選手のプログラムです🎉

 

◆Nathan Chen SP "Caravan"

文句なしに楽しい神プロ。

Nemesisを生み出したシェイ=神・ボーン様が次はどんな手を使ってくるかと思えばまさかの明るく陽気なプログラム!はじめ聞いた時は、似合うのか……??と疑ってしまったんですけど最高に似合いましたねすみませんでした。ひれ伏すしかない。

これベスト演技選ぶのめちゃめちゃ難しかったんですけど私の好みという一点においてはスケアメがベストかなあ。なぜなら、一番楽しそうで一番おもしろいから……。

最初の振付がずるいですよね。あんなブルブルされてあんなキメ顔されたらもう一瞬で釘付けになっちゃうじゃないですか?

スケアメリアタイ時は苦手だったはずの3A(音ハメ)(ビューティフル)(GOE+2.97)にびっくりしたものです。CCSpの最後とっとっとーってやるとこ、好きだったのにいつの間にかなくなってて悲しかったです。シーズン途中からはスピンのタイミング自体変わってたし。まあ競技なので、やりやすいのが一番なんですけどね。

それにしても要素の合間の振付がいちいちユニークで目を引きます。指揮者みたいなのとかベストくいってするとことか、手ぱちーんとか。シェイリーンプロは真似したくなる振付が多いですよね。

コンビネーションジャンプからのFSSpの音ハメばちーんと決まるとめっちゃ気持ちいいし盛り上がります。そこからの超絶最高StSq~!!初期のStSqは一音たりとも逃してやるものかという圧を感じる程に振付が詰め込まれてます。それを何がそんなに楽しいんだというくらいノリノリキレキレで滑るネイサン。特にスケアメは意味わからんくらい身体が動き過ぎてて、楽しくて笑顔になると同時に凄すぎて笑いが出てきます。シーズン後半、振付変更後は前よりも余裕があり格好良さもプラスされててニヤニヤしちゃいます。どっちも好き。たった一つのStSqの中に好きな要素が多すぎる。

フィニッシュポーズもこれまたずるい!初めて見たときは、こんなんアイドルじゃん!と思いました(???)

私は楽しそうに滑るスケーターが何よりも好きなので、こんなんもう好きしかないのです。幸せな時間をありがとうございました。

 

 

◆Nathan Chen FS "Land of All"

キャラバンはともかく、こっちはあんまり評価されてない気がするの何故ですかね???私はすごく良いプログラムだと思います。

全米の演技が最強構成かつ伸び伸び滑ってて一番好きなんですが動画が見つからなかったのでワールドのを。 動画ありました!

まずこのWoodkidのLand of Allというのは移民をテーマに書かれた曲でして。具体的にはメキシコからアメリカへの移民ですね。アメリカを代表するトップアスリートであり、中国系移民の子である彼がこの曲を使うということに、ものすご~く意義があると思うのです……。昨シーズンのMao's Last Dancerといい、ネイサンは自分のルーツをとても大切にしていますよね。要するにエモいんですよ。エモいの一言で片付けるのよくないと思うけど、エモいんですよこの選曲……。

ちなみにこの曲、「ノー・エスケープ 自由への国境」という映画の主題歌でもあります。が、映画には歌詞から読み取れる以上のことは描かれていないのでおすすめはしません……。

 冒頭4Lzの美しさえっぐ~~。2本目の4Fの後のコレオとても好きです。今シーズンからFSでも意味わかんない身体の動きを見せるようになってきてて良い~。元々彼はジャンプよりも身体表現の素晴らしさで注目されてきた選手なんですもんね。ついこの間まで知らなかったよごめんなさい。

FCSpのCFポジションの腕の位置が好きです。陰を感じる表現というか。底抜けに明るいSPとの対比がよく表れてます。その後のStSq、音の取り方がめちゃくちゃ気持ちいいです。ここもSPとのコントラストなんだよな~!FSでは比較的スローな曲に合わせて丁寧に音を取って魅せてます。最後に一瞬顔を上げて遠くを見つめるところ、エモいです。壁の向こうに見据える、新たな世界。ここから後半、どんどん壁をブチ壊していきます。

4T+3Tの後の拳突き上げる振り格好良すぎ!激しさを増す音楽にぴったりハマったジャンプが続きます。そして最高のChSq~~!!!

ChSqはスケアメが一番好きなので貼っときます。ワールドはちょっとだけ音ズレしちゃってるので。それでも最高なことに変わりはないんですけどね!!

もうね、コレオグラフィックシークェンスの"コレオグラフィック"な部分でこれだけ魅せてくれる選手います???キレッキレにも程がある。特にスケアメ、SPといいこの時のネイサンは制御できるギリギリまで身体動かしてる感じがします。FS時間短縮の影響からでしょうか、約13秒と短いうえに上半身の動きがメインで足元は比較的難しいことをしていないというちょっと挑戦的なChSqだと思うのですが、めちゃくちゃインパクト強いしGOEもしっかり貰えています。ルールへの適応力が凄すぎ。

ちなみに韃靼人のChSqは約38秒、マオダン約16秒でした。韃靼人なっが~~~。

直後のFCCoSpの音ハメも素晴らしいです。これもスケアメの方が好きかな~、シーズン後半はCSポジションでの手の振付が省略されてしまった。まあいずれにしろ素晴らしいんですけど。スピンで魅せられる選手は一流だなーって思います。特に男子やペアだとね。あとCCoSpとの間のコレオもめっちゃ好きです。"I came to break the wall that rose around you"。このプログラムには、ネイサンが様々な思いを背負いながら、己の身ひとつで常識や限界といった壁を壊していく……といったストーリーがあるのかもしれませんね。うっわ~~~~~エッモ~~~~~~!!!(一人で勝手に感極まる限界オタク)

 

今シーズンの競技プロは両方とも推しプロですが、持ち越し含む3本のEXも全て好きでした。一番はBack From The Edgeです。なぜならエモいから。

 

去年書いた通りNemesisがめちゃめちゃにツボでネイサンのこと好きになったんですが、今年のワールドで完全に落ちてしまったんですよね。再たま落ち。落ちてさいたま。たまアリ全員ネイサンの女でしたからね、仕方ないですね。最近は過去の演技を遡って見てはなんでこんな素晴らしい選手を見逃してたんだ?私の目は節穴か~??ってなってます。同じ選手の演技こんなに見るの羽生さん以来かもしれない。ヤバい。

しかし結果出してから、いや出したから?好きになるってミーハーのニワカ丸出しだな。ちょろすぎてすみません。一度好きになったら末永く応援するから許して~。好きな人たくさんいた方が人生楽しいんだよ~。

 

お誕生日終わる前に書き終えられてよかったです。20歳おめでとうございました! 

 

 

忘年推しプロ語り2019 その1

こんばんは。

2018-19シーズンも終わってしまいましたねえ。年々時の流れが早くなってく。光陰矢の如し。オフシーズンの気晴らしとして、何回かに分けて好きなプログラムについて語っていこうと思います。大事なのは"ベストプロ"ではなく"推しプロ"であるということ。完走できるように頑張ります……。

 

初回の今日は情熱的なプログラムを3つ集めてみました🔥

 

Donovan Carrillo SP "Jazz Machine,Picante "

サムネの美少年です。この動画そのうち消えるやつなのかなあ?フジスケ様、どうか、どうか……。

今年の四大陸はアメリカ開催だったこともあり沢山のファンが集まった模様。SNSの投稿をきっかけに人気が増したようですが、彼の素晴らしさは発言だけではありません。まず見てくださいこのスタートポーズ。滑り出す前からこんな歓声沸くことってあります??そして冒頭の振付~!!さいたまワールドでは初見の人も多そうでしたがここで一気に盛り上がり、この日一番の手拍子が起きてました。開始7秒で心を鷲掴みにする19歳。カリスマかよ?カリスマだよ!全力で魅せようとする姿勢、パフォーマンスが素晴らしいです。演技中ずっと笑顔の男子選手って希少。そして彼は踊れる選手でありながら柔軟性もあります。CFポジションの美しさよ。この大会では怪我を抱えながらも3Aに成功し最高の演技を見せてくれました。ご機嫌なキスクラかわいい。

マンボ、Capone、そしてこのJazz Machineなどなどジャンルが異なりながらもユニークで、ドノヴァンくんの魅力を最大限に引き出すプログラムを創り出したグレゴリオコーチは天才。これからも色んなプロを見せてほしいです。長く競技が続けられるといいなあ。

 

本田真凜  SP "Seven Nations Army"

サムネの美少女です。真凜ちゃんのイメージを一新するプログラム。彼女もまた冒頭から引き込む力がありますねー。"強い女"っぽい曲と振付なんですが、元々腕の使い方が非常に優雅で綺麗なので荒っぽくならず、しかし大きく踊れているので見応えがあり、独自の味が生まれています。一見ダイナミックですが、何気に3Lo+3T以降は全てが音ハメになっている繊細なプロでもあります。モホークスリー3Fからのスリーロッカー(合ってる自信はない)、ウィンドミルからのLSp、この一連全部音に合っててすごく気持ちいいです。何と言ってもStSq。滑らさはそのままに力強さの加わったスケーティング、そして心から楽しそうに滑る姿。これリアタイで見たとき泣きましたよ私は。彼女は以前から人前に立つことが好きという強者ゆえ表現に躊躇いがないので、こういう「私を見て!!」って感じのプロが似合うんですね。ブロードウェイ系(?)とかやってほしさある。

さて、このSeven Nation Armyが推しプロなのにはもうひとつ理由があります。この曲はゴシップについての歌だそうで。こちらのブログの解釈がわかりやすいです。

oyogetaiyakukun.blogspot.com

読んでもらえればわかると思うんですけど、新天地で頑張る決断をした真凜ちゃんにこの曲選んだのヤバいエモくないですか??

なぜシェイ=リーンボーンさんはかくも天才なのでしょうか。畏れ入ります。

 

◆ Victoria Sinitsina / Nikita Katsalapov  RD "Verano Porteno"

ラストは今季タンゴロマンチカで一番好きなプログラムです。

プログラム全体を通して、フリーレッグのさばき方、絡ませ方が凄くシャープで格好いいんです!もうね、冒頭からゾクゾクしますね。ツイズルを見事調伏してからのパターンダンス。ホールドチェンジや頭の動きで細かく音を拾っていてとにかく気持ちがいいです。ローテ―ショナルリフトはねっとりしっとりと、タンゴという踊りの主題である"愛"が感じられる表現。LOVE。Любовь。最大の見せ場はミッドラインステップ。入る前と中盤ジャッジ前でのステップがすっっごい!!カツァラポフ氏が面白いくらいに激しく、かつ正確に動いてます。それにしっかり合わせられるヴィカ様も凄い。そして美しい。最大まで高まった緊張をランジで一気に緩和し、我々は昇天。お疲れ様でした。

一曲だけを使っているので最初から最後まで世界観がぶれないところが好きです。黒い衣装も普段ならつまんないな~と思うところですが、このプロに関しては曲想に合っててとても良いと思います。シャープかつディープでドープなタンゴでした。

 

 

自分、カテゴリーによって見てるとこが全然違うんだなーってわかりました。まだまだ続きます。チャンネルはそのままで。